“Webとクルマのハッカソン 2018”

コネクテッド・カー時代におけるWebと車の連携アプリ/サービスを創発しよう!

今世界中でインターネットにつながったクルマが増えています。 様々な情報サービスを享受したり、自動車の走行状態に関するデータを収集・活用したりすることが期待されており、 W3Cでもコネクテッドカーからの車両情報の取得・活用に関するWeb技術の国際標準化が進められています。

そこで、本ハッカソンでは、 自動車の走行状態に関するデータ (車速、アクセル、ブレーキ、エンジン回転数、オドメータ、ハンドル角度、燃費、車両位置、 ドア状態、窓状態、トランク状態、室内気温、加速度、など)、ドライバー・同乗者の生体情報(心拍数、覚醒度、など)等を活用しつつ、サードパーティ製の他分野サービスのWeb APIをマッシュアップし、新たなWebアプリの開発・サービスの提案を競っていただきます。

クルマの情報とWeb技術の融合から生まれる今までに無いビジネスやアプリを考えることを通じて、 クルマを取り巻く素晴らしい未来を共に創りましょう!

Webとクルマのハッカソン実施結果

2018年1月27~28日、50名のエンジニア・デザイナーが集まり、 「Webとクルマのハッカソン2018」が開催されました。

初日は、今回のハッカソンで提供されるW3C Vehicle APIの説明に引き続き、開発環境のチュートリアルが行われた後、11チームに分かれて開発作業を開始しました。Vehicle APIや協賛社のAPIについての具体的な質問や、走行シーンについての質問が、SlackやGitHubを通じてリアルタイムに全参加者と共有されました。2日目午後のチーム発表では、工夫を凝らしたWebアプリのデモが行われ、審査委員を大いに悩ませた結果、次のアプリが表彰されました。

開催当日の様子①(チュートリアル)

イメージ図
※実験車両により紹介した技術は、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)・自動走行システムに係る研究開発の一部である総務省の『ICTを活用した次世代ITS の確立』による委託を受けて実施した研究開発による成果です。

開催当日の様子②(開発作業、成果発表等の様子)

チーム名 発表アプリのタイトル 表彰
A MONICAR
B 車のリスクアセスメントPF
-ダッシュボードUI + ワイパーUI –
True Drive(あおり運転版)
C パーソナルコーディネーター
(副題: 車両整備のセカンドオピニオン)
E 助手席にくまさんが乗り込んできて2日が過ぎました。(^ω^)/ 優秀賞
F はとカー
G オレヨメ
(ワタカレ)
最優秀賞
H 寿司ドラ
I Nosete
(ノセテ)
特別賞
J ドライバー・
アシスタント YORiちゃん
K あおり運転検知通報AI
L Otomobile(オトモービル)

最優秀賞

Gチーム

オレヨメ(ワタカレ)


【審査員とのQ&A】

  • 機能が盛り沢山で面白いが、何かにフォーカスしてもいいのかも
  • クルマを情報インプット用の「動く投稿デバイス」として使うのは非常に面白い。渋滞情報をシェアするWaze(ウェイズ)は米国で流行っているが、シェアするためには、何かしらの投稿操作が必要となる。それが解消できる可能性を感じる

優秀賞

Eチーム

助手席にくまさんが乗り込んできて2日が過ぎました。


【審査員とのQ&A】

  • くまさんが乗り込んで日数が経つとどうなるのか→機能が増えていく。目の前の車種について喋る機能もトライしていた。
  • ランダムでいろんなことを喋るのは意外と楽しい
  • フィードした情報をロケーションでトリガーして喋らせたらセリフが常に更新されておもしいろいのではないか
  • マネタイズのアイデアはあるか?→ナビへの付加価値やプラグイン販売・キャラ課金も考えられる。
  • ピカチュウみたいな意味のないセリフも混ぜてもいいかも→「くまくまくま!」というセリフも入っている

特別賞

Iチーム

Nosete(ノセテ)

【審査員とのQ&A】

  • 秀逸。すぐにLINEさんに提案書を持ってくといい
  • 白タクにも応用できて、可能性を感じた
  • ユーザ操作が必要なのはなぜ?→高速道路の乗り降りの誤検知防止のため。
  • 通知過多にならないか。→Vehicle APIを使って通知過多を防ぐ仕組みも入れている。

開催当日の様子③(最後に記念撮影)

開催概要

日時
2018年1月27日(土)~1月28日(日)
場所
住友不動産飯田橋駅前ビル
テーマ
“Webとクルマのハッカソン 2018”
                 次世代自動車におけるWebとクルマの連携アプリ/ビジネスを創発しよう!
参加者人数
50名
審査委員長
中村 修(慶應義塾大学 環境情報学部 教授・W3C/Keio サイトマネージャ)
審査委員
村松 寿郎    (日産自動車株式会社 電子技術・システム技術開発本部
                    コネクティドカー&サービス開発部 テレマティクス開発グループ 主管)
小松 康幸    (株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員)
野辺 継男    (インテル株式会社 事業開発・戦略推進 ダイレクタ (兼) 名古屋大学 客員准教授)
羽田野 太巳 (株式会社ニューフォリア 取締役 最高技術責任者)
主催
Webとクルマのハッカソン2018実行委員会
協賛
株式会社ニューフォリア、株式会社ACCESS、パイオニア株式会社、Automotive Grade Linux、日産自動車株式会社、株式会社本田技術研究所、アルパイン株式会社、アイシン精機株式会社、株式会社自動車新聞社、ルネサスエレクトロニクス株式会社、株式会社イード、株式会社村田製作所、FOX HOUND株式会社
API協賛
株式会社デンソーテン、株式会社ゴーガ、株式会社アジラ、株式会社スワローインキュベート、PAY株式会社、ユカイ工学株式会社、株式会社エーアイ、ユメイク合同会社、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ、株式会社アマネク・テレマティクスデザイン、株式会社ジンズ、株式会社ゴーゴーラボ、インクリメントP株式会社、エスディーテック株式会社、株式会社昭文社、Fairy Devices株式会社、株式会社リクルートテクノロジーズ
後援
総務省、経済産業省、W3C、一般社団法人情報通信技術委員会、一般財団法人日本自動車研究所、一般社団法人WebDINO JAPAN
事務局
株式会社KDDI総合研究所

参加者の声(一部)

  • 満足度の理由
    • VehicleAPIを実際に試せるプラットフォームが整っていたこと
    • 今まで関わりのなかった職種の方と意見を交換する経験がとても貴重でした
    • 事前準備がしっかりしており、参照できる情報が多彩である。進行が各チームに委ねられすぎていたきらいがある
    • 各チームの発表を聞いてとても良い意味でインスパイア受けました。
    • お菓子や飲み物があり、開発する環境が良かったです。ただ、少し寒かったです
    • 終始、温かい雰囲気だったから
    • 会場の環境がとても素晴らしく、作業に集中できました。特にコーヒーが美味しかったです
    • スクリプトでどれだけアイデアが実現するか可能性と問題点が見えてきた
    • 生体情報のセンシングなど興味深いAPI参加者のレベルが高い
    • 利用するAPI環境やデータの準備が十分整っており、サポートも手厚くしていただきよかったです。
    • 協賛社さんからのAPI提供もいろいろありアイディアが広がりました
  • 走行パターンとして提供して欲しかったもの
    • ただ走っている状況が多かったので、事故や給油などバリエーションを増やして欲しい
    • あおりなどの事故までいかなくても、その原因になるデータ
    • 前の走行時の画像データだけでなく、車両後方に関するドラレコのデータも欲しい
    • 同じルートを複数台が同時に走行しているデータがあれば良いと思いました。
    • 走行パターンではないですが、車載カメラの情報を画像認識の入力として使いやすいような形のデータがあればうれしいです。
      (YouTubeの様な簡単な形ではなくなるので提供をするのは難しいかもしれませんが)
    • バスやタクシーの走行パターン
    • 車の乗り降りデータ
    • 同時間帯に走行している他車の情報
  • 提供して欲しかった協賛API
    • ぐるなび
    • JINS MEMEの視覚情報API
    • 制限速度などを画像処理を行わなくて獲得できるAPIがあれば良かったかもしれない
    • Line・Google
    • 画像認識APIの推奨があれば
    • 気象
  • W3C Vehicle API仕様についての要望
    • 市販車で自由に使えるようになって欲しい。
    • センサーデータの取得の間隔(5秒空いて次の情報が取れるetc)をもっと短くして欲しい
    • リアルタイムデータが無制限にWebSocketで取れるとよい。ユーザの指定したデータが取れるように、自由に拡張できるようにしてほしい。車内Etherからの情報にも拡張できるようにしてほしい。
    • サンプルアプリケーションなどを開示してほしい
    • ビーコンか何かでのシステムとの送受信できる環境が欲しい
  • 自動車におけるWeb技術への期待
    • 自動車は大きな市場なので、僕らが作成したアプリケーションが販売しやすい仕組みが実現すると良い
    • 昨日の解説時にお聞きしたHTML5, WebGLが車載機器で動くようになる、というのは興味を持ちました。
    • 自動運転が普及したときの空いた時間の活用(エンターテイメント)
    • 事故の撲滅および粗暴運転者の洗い出し
    • 運転をサポートする、視線を妨げないブラウザの開発に期待しています。
    • LowレベルAPIの対応、車内からWebでデバイスがつなげられるように。
    • 最新状態へのアップデート(クルマのファームウェアなど,ハード関係の世代遅れを回復するための仕組み)
    • メーター系パネルのブラウザ化
    • 音声入力
    • 携帯とクルマが繋がる未来大事だったりしてます。
    • オフラインになったときのリカバー対策
  • その他の意見・感想など
    • VISS WebSocketサーバ(コントロールUI)やネットワーク環境が不安定なタイミングもあって、そこが安定していて欲しかった。
    • 無線LAN環境を開発向けの物を用意してほしいです。
    • 実車環境など、実働中データなどを使ってやりたいです。
    • 大人ばかりだったのでハッカソンが堅苦しく感じた。過去の作品を見たことで緊張せずにアイデアが出せた。
    • 各動画ごとに特徴のタグがあれば良かった。天候や、場所(高速道路、観光地など)
    • APIのアフターフォローが欲しい
    • ありがとうございました。
    • 初めてハッカソンに参加したのですが、温かい雰囲気で見守っていただけて非常にありがたかったです。

車両情報

カテゴリー API/デバイス データ項目
車両から取得 VIAS/VISS 車両速度、エンジン回転数、イグニッション状態、アクセル開度、トランスミッション、ヘッドライト、ブレーキライト、燃料残量、燃料消費量、加速度(左右、進行方向、鉛直方向)、ジャイロ(ピッチ、ロール、ヨー)、ハンドル切角、ブレーキ、総走行距離、ドア状態(運転席、助手席)、シートベルト(運転席)、パーキングブレーキ、GPS(緯度、経度、高度、進行方向、移動速度)
車内にセンサー持ち込み JINS 覚醒度(運転者、助手席の同乗者、後部座席の同乗者)、注意レベル(同左)
sdteck 集中度(運転者)
AppleWatch 心拍数(助手席の同乗者)
iPhone 大気圧、高度
MESH 車内気温、車内湿度、トランク開閉
BOCCO 運転席窓開閉、エアコンOn/Off

協賛社より提供いただいたAPI

カテゴリー API提供 内容
決済 Pay.jp 支払処理、W3C Payment Request APIなど
通信 Twilio 電話・FAX・SMS・ビデオのコミュニケーション
音声 Fairy Devices 音声認識(テキスト出力)
AI 音声合成
Swallow Incubate 音声による感情認識
BOCCO(ユカイ工学) 音声対話、センサー
画像 asilla クルマの画像から車両のメーカ/車種の認識
AI A3RT(リクルートテクノロジーズ) AI、機械学習
放送 Amanek コンテキストに応じたデジタルラジオ放送
気象 YuMake 天気予報、観測系情報、防災情報
地図情報 MapFan(Increment P) 地図、POI情報(ベクター方式の地図情報など)
Mapple(昭文社) 地図、POI情報(多言語マップ、観光情報・施設検索など)
DENSO TEN ヒヤリハット地点情報
ゴーガ 高速道路情報
GoGo.gs, GoGoEV ガソリンスタンド、EV充電スタンド情報
センサー・デバイス JINS メガネによる、覚醒度、注意力の測定(走行データと同期)
sdtech 瞳孔センサーによる、集中度の測定(走行データと同期)

走行シーン

市街地、高速道路など120シーン以上の走行データを準備しました。